岡山県議会11月定例会質問報告③
「スーパーヨット誘致について」
海外富裕層が個人所有する大型クルーザーの誘致について2019年6月議会で質問しました。
知事からは「国の動向を注視するとともに、寄港事例や他県の取り組みなど、情報を収集しながら研究する」との答弁がありました。
そこで、岡山県を動かすために「国の動向を作り、先行する他県の取り組みを徹底的に調査すること」に力を注ぎました。
前回の質問以降、1年半かけてスーパーヨットエージェントと情報共有しながら横浜市、三浦市、石垣市、与那原町といった自治体、電通等の富裕層対策に取り組む企業、瀬戸内海での連携を深めるため大阪観光局、広島県観光連盟、メンテナンス需要を伝えに県内造船所を訪問した他、誘致の全国会議への参加等、情報収集とともに取組を進めるみなさんとのネットワークを広げてきました。
国への働きかけについては国土交通大臣政務官との2度の面談等、スーパーヨット誘致会議・日本と共に活動しました。
来年は国土交通省を中心に関係省庁で進展がある模様であり、ビジターバース整備に関する民間の参入等「スーパーヨット誘致」が加速する年になると思います。
スーパーヨット誘致にはどこかの港、どこかの自治体が単独で取り組んでも効果はありません。日本各地を周遊出来る環境整備や国による規制緩和が不可欠です。
今後も、スーパーヨット誘致会議・日本の皆さん、全国で取組を進める皆さんと連携し日本の市場開拓、誘致活動を前進させます。
質問原稿
スーパーヨットとは海外の富裕層が個人所有する大型クルーザーで、現在全世界で9000隻超が運航しています。その数はこの10年で倍増し、コロナの影響で欧米富裕層のニーズが更に高まっています。スーパーヨットの多くはカリブ海、地中海で周遊していますが、アジア太平洋地域へのクルージングも増加傾向にあり、本年開催予定であった東京オリンピック・パラリンピック期間中に30隻のスーパーヨットが来日予定でした。瀬戸内海では2019年に7隻が周遊し、岡山県への寄港実績もあります。2015年に来日した船は1ヵ月で4500万円の支出実績があり、大きな経済効果があります。このようなスーパーヨットの本県への誘致について2019年6月議会での質問に対する知事答弁は「誘致については国の動向を注視するとともに、寄港事例や他県の取り組みなど、情報を収集しながら研究する」とありました。質問以降、スーパーヨット誘致会議・日本と情報共有し、誘致に取り組む石垣市、与那原町、横浜市、三浦市といった自治体、電通等の富裕層対策に取組む企業、国土交通大臣政務官や国土交通省担当課、大阪観光局、広島県観光連盟等を訪問し、情報収集とともに取組を進める皆さんとのネットワークを広げてきました。私の知り得る限りでも前回の質問から1年半で先行している地域、民間で誘致の取組が進み、新たに関心を持つ団体も増加しています。国においても「スーパーヨットの受入拡大に関する関係省庁連絡調整会議」に参加する各省庁が税関や入管に関する煩雑な各種手続き等の課題について検討を進めており、来年1月開催予定の「ツーリズムEXPOジャパン」では国土交通省海事局ブースにスーパーヨットエージェントが初出展します。また、3月には第2回関係省庁連絡調整会議の開催とスーパーヨットの政府ポータルサイトの開設を準備していると聞きます。日本には歴史、文化、芸術、四季折々の豊かな自然、食があり年間を通してクルージングを楽しめる世界有数のクルージングディスティネーションです。更に港湾・プライベートジェットで利用できる空港、メンテナンスのための造船所といったインフラが整っています。現在はコロナの影響でスーパーヨットの寄港は止まっていますが、今後、国の規制緩和が進み、スーパーヨット市場において日本の優位性に対する理解が深まれば我が国への寄港は増えると考えます。それは即ち瀬戸内海での周遊増加につながり、本県への寄港ニーズも高まるものと考えます。県として引き続き国の動向や他県の取組に注視するとともに、誘致に関する全国会議等が開催される際には積極的に参加し更なる情報収集に努めていただきたいと考えます。知事のご所見を伺います。
また、瀬戸内海エリアでも民間による専用バースの設置計画がある他、大阪観光局、広島県観光連盟がスーパーヨット誘致についてエリアの底上げを目指し、連携して取組みを始めたところです。県として瀬戸内海エリアにおける誘致活動について岡山県観光連盟と情報共有するとともに、大阪観光局や広島県観光連盟等との広域連携を図っていただきたいと考えます。知事のご所見を伺います。
そして、本県への寄港にあたり、上陸後の目的地へのアクセス時間、距離を考慮した入港エリアや係船場所等を知ることが出来る方策を検討し、スーパーヨットのニーズに対応していただきたいと考えます。土木部長のご所見を伺います。
質問要旨と答弁
(1) さらなる情報収集
(問)
スーパーヨットは海外の富裕層が個人所有する大型クルーザーで、寄港には大きな経済効果がある。地域や民間で誘致の取組が進み、国においてもスーパーヨットの受入れに関する課題の検討を進めている。国の動向や他県の取組を注視するとともに、誘致に関する全国会議等が開催される際には積極的に参加し、さらなる情報収集に努めてほしいが、所見を伺いたい。
(答)
まず、さらなる情報収集についてでありますが、これまで、国やスーパーヨット専門の旅行代理店などにヒアリングを行い、入港手続きの煩雑さや寄港地での係留場所の情報不足などの課題を確認したところであります。
現在、国の受入拡大に関する関係省庁連絡調整会議において、課題解決に向けた取組が検討されているところであり、引き続き、その動向を注視するとともに、全国会議等への参加や、他県の取組などの情報収集を積極的に行ってまいりたいと存じます。
(2) 瀬戸内海における広域連携
(問)
瀬戸内海エリアでも、民間による専用バースの設置計画があるほか、大阪観光局と広島県観光連盟が、スーパーヨット誘致について連携して取組を始めたところだ。本県も、瀬戸内海エリアにおける誘致活動について、岡山県観光連盟と情報共有するとともに、大阪観光局や広島県観光連盟等との広域連携を図ってほしいが、所見を伺いたい。
(答)
次に、瀬戸内海における広域連携についてでありますが、スーパーヨット誘致のターゲットは主に海外富裕層であることから、広域で連携し、瀬戸内海全体の魅力を一体的に発信することは重要と考えております。
そのため、必要に応じ、県観光連盟と情報を共有するとともに、大阪観光局や広島県観光連盟等と今後の取組などについて情報交換を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
(3) 寄港に関するニーズ対応
(問)
寄港にあたり、上陸後の目的地へのアクセス時間、距離を考慮した入港エリアや係船場所等を知ることができる方策を検討し、スーパーヨットのニーズに対応してほしいが、土木部長の所見を伺いたい。
(答)
寄港に関するニーズ対応についてでありますが、県内外の来訪者が利用するビジターバースについては、位置や利用条件、周辺の観光情報等を広く周知しておりますが、貨物船などの係留施設については、スーパーヨットの関係者向けの周知は行っていないところ
であります。
今後は、スーパーヨットが係留可能な施設の位置や、周辺の観光地などへのアクセス時間、距離等の情報を提供するなど、スーパーヨットの寄港に関するニーズに対応してまいりたいと存じます。以上でございます。