議会報告② 警察手帳について

岡山県議会11月定例会質問報告②
「警察手帳」について
警察手帳の「写真」を定期的に更新してはどうかを問いました。
県警本部長からは貸与から5年で定期的に手帳の写真を更新するとの画期的ともいえる答弁がありました。
質問の背景
警察手帳を開いた上段が証票、下段が記章となります。証票には顔写真、階級、氏名、職員番号が記載され、記章には所属する都道府県警察の名称が表示されます。
この手帳の再交付については岡山県警察手帳取扱規程第6条1号~3号、2項に規定されており、実際の運用では大多数が6条2項「証票の記載事項に異動があったとき」に再交付されています。
つまり、昇任により階級が変わるタイミングで証票「写真」も更新されることになります。
すなわち、階級が変わらない限り手帳の「写真」は変わらないのです。
岡山県警察職員定員条例により巡査、巡査部長、警部補、警部、警視の定員は定められており、全ての警察官が定期的に昇任することはありません。
その結果、「同じ写真」の手帳を長期間使用する警察官が多数存在し、10年以上前の写真で勤務する警察官も一定程度存在する現状があります。
県民目線で考えれば目の前の警察官と手帳写真が同一人物に見えないことは警察の信頼性に関わります。
警察手帳写真に関する私の問題意識は岡山県警以外の警察についても同様です。質問作成にあたり警視庁をはじめ、道府県警察の手帳規程を調べたところ定期的更新を名文規定する都道府県警察はありません。
関心ある都道府県議員の皆さんご連絡ください。全国の警察手帳写真が定期的に更新されればと思います。
質問原稿
警察手帳は、採用されると同時に、全ての警察官に司法警察職員の身分証として手錠等と共に貸与されます。岡山県警察手帳取扱規程第2条2項にも「新たに警察官として採用された者に対して手帳を貸与しなければならない」と規定されています。警察刷新会議において警察官の匿名性が問題視されたことを受け2002年に現在の形状に変更され、国家公安委員会が定める警察手帳規則第5条では職務の執行に当たり、警察官であることを示す必要があるときは、手帳を開き、本人の写真が添付された証票及び記章を呈示しなければならないと規定されています。そして、警察手帳、証票、記章が再交付される場合については岡山県警察手帳取扱規程第6条1項1号から3号及び2項に規定されています。それによると、紛失、盗難等の事故、き損、汚損、その他再交付の必要が生じたとき、証票記載事項に異動があったときに再交付されることになります。実際の運用では階級が変わる時、すなわち昇任等により証票記載事項に異動があったときに再交付されています。そのタイミングで証票に添付する顔写真が変更されることになりますが、岡山県警察職員定員条例により、巡査から警視まで各階級の定数は定められており、全ての警察官が定期的に昇任できるわけではありません。そのため、同じ写真の証票を長期間使用する警察官が多数存在し、10年以上前の写真の手帳により勤務する警察官も一定程度存在するというのが現状であると聞いています。県民目線で考えれば目の前の警察官と手帳の写真が同一人物に見えないことは警察の信頼性に関わります。このような問題意識から私が産業労働警察委員会に所属していた平成29年に県警察に写真の撮り直しを提案し、その結果、平成30年度春季人事異動では、加齢等による著しい容貌の変化があると所属長に判断された74名が再交付を受けたと聞いております。もっとも、この「加齢等による著しい容貌の変化」というものは基準としては曖昧で、所属長の判断となると主観が入り込む余地もあり、再交付の基準としての統一性の確保は難しいといえます。運転免許証は3年若しくは5年、国会議員公設秘書証は衆議院では最長4年、警察庁の職員証は5年、公共放送の記者証は5年で更新されます。いずれも身分証であることから、写真と所持者が同一人物であるとはっきり見て取れることが強く求められています。そもそも、警察手帳を新たな形状に変更した趣旨は匿名性を払拭し、警察官であることを分かりやすく示すことにあります。岡山県民に開かれ、より信頼される岡山県警察であるためにも定期的に警察手帳証票写真を更新してはいかがでしょうか。県警本部長のご所見を伺います。
答弁
「警察手帳について」であります。
警察手帳には、警察官本人の写真のほか、氏名、階級等(など)が記載されており、街頭等での職務執行に当たり、警察官であることを示す必要があるときには、手帳を開き、記章とともに、写真等を呈示しなければなりません。
 しかしながら、議員お話しのとおり長期間、同じ写真のままの手帳で職務執行に当たる警察官が一定程度いるのが現状であります。
 そこで、県警察といたしましては、公安委員会が発行する運転免許証の更新期間が最長5年であることなどに鑑み、今後は、原則として、貸与から5年以上を経過した警察官を対象に、定期的に手帳の写真を更新してまいりたいと考えております。
西原司、岡田輝昭
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